神戸と共に歩んだ150年を、書籍として発刊。
神戸レガッタ・アンド・アスレチック倶楽部(KR&AC)は、神戸開港から間もない1870年に英国の実業家が設立した、日本で2番目に古い外国人の総合スポーツクラブです。「神戸と共に歩んできた150年の歴史を広く市民の方々に知ってもらいたい」との思いから記念誌の発行を決め、神戸の歴史に詳しい園田学園女子大学名誉教授の田辺眞人さんが監修を務められることになりました。
田辺さんは、弊社の出版ブランド「神戸新聞総合出版センター」から数々の著書を出されており、お付き合いは40年以上になります。また、神戸新聞総合出版センターは、KR&ACの歩みと関わりの深い旧外国人居留地関連の書籍を数多く発行し、これら書籍の執筆者には田辺さんをはじめ、今回の記念誌に編集委員として携わる方々が名を連ねています。
そんなご縁もあって2020年6月、弊社に編集・制作の依頼がありました。
制作においては、通常の周年記念誌とは一線を画し、書籍として一般に読まれるものにするという大きな課題がありました。そのために編集会議を設け、「本の構成をどうするか」「原稿を誰に依頼するか」「手に取ってもらえるデザインとは」など理事や執筆者、編集委員の方々と幾度も検討。その結果、150年の活動と変遷からKR&ACの存在意義を言及し、また創設者の生涯をひもとき、阪神間モダニズムとスポーツの関係性にも踏み込んだ、読み物として内容の濃いものが出来上がりました。カバー写真には、KR&ACの象徴ともいえるレガッタのインポートマッチの優勝トロフィーを採用しました。
約8カ月後に完成すると、神戸新聞紙面に記事や広告を掲載し、他紙でもニュース記事に。発行した500部のうち半数の250部を預かり、神戸をはじめとする書店で販売しました。また、「老朽化したクラブハウス改修のためクラウドファンディングを創設したい」との意向を聞き神戸新聞グループのファンドを紹介、この書籍も商品として活用されました。スポーツ文化を通じて神戸の近代化や国際交流に重要な役割を果たしてきたKR&AC。存在の大きさを再認識するツールとして、その制作に携わり、貢献できたことは弊社にとって大きな財産となりました。
定価:本体2,000円+税
仕様:A5判152ページ、ソフトカバー
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