100年企業の後世につなぐ思いを、一冊に。
南あわじ市に本社を置く森長組さんは、海洋土木工事では全国的に名を知られた企業です。2020年9月に創業100年を迎えられ、同社を得意先とする地方銀行の洲本支店から、「100周年記念誌を作りたいと言われていますが、御社でできますか」と声がかかりました。
同行を願って同年9月、初訪問のために明石海峡大橋を渡りました。 のどかな風景の中に立つ社屋、応接室で迎えてくださった5代目森社長は「この機会にこれまでの会社の歩みを整理し、後世につないでいくことが現役社長の務め」と話されました。
仕様はA4判、約100ページ、並製を希望されており、それに見合う企画・構成を考えるところから当社の作業は始まりました。
本文の歴史に関してはOBの方が創業時から3代目社長の時代までは記しているとのことで、読ませていただくと、時代を代表する工事の数々や人材の確保・育成策などに関して、淡路島の動きを織り込みながらきっちりとした文章にまとめられていました。検討の末、そのタッチを生かしつつ末尾等を軟らかい表現にリライトしながら、4代目社長、5代目社長の時代も同様の文体で書き進めることに決まり、お二人への聞き取りを実施しました。
制作過程で一番問題となったのは、写真を加えたり大きくしたりしてページ数を150ページ程度に増やしたいということでした。100周年記念誌としてある程度の分厚さを確保するには、現状ある資料等を活用してページ増を図る必要があります。“見る”“読む”という切り口で、「写真で見る森長組の仕事」「記念誌・業界誌等に見る森長組」の2つのコーナーを提案したところ、即決で採用され、紹介すべき写真や記事選びに取りかかっていただきました。また、「32年ぶりのコンクリートプラント船の新造」など話題性のあるトピック3点は、本文中に神戸新聞に掲載された記事を転載して内容に厚みを加えました。
制作期間は約2年半。神戸と淡路島の南部と、距離的には隔たりがありましたが、計8回の訪問やメール等でのコミュニケーションを通じて窓口の管理部長さんと信頼関係を築くことに努め、校正は郵送でやり取り、写真類は段ボール1箱分をお預かりして、作業は順調に進みました。編集過程では淡路島の歴史も垣間見ながら、2023年2月、無事に500部を納品することができました。納品から3カ月後、在庫が少なくなり300部の増刷もさせていただきました。
仕様:A4判148ページ、並製本(表紙:マットPP貼り)
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